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トキは明治以前、田んぼや川べりで餌を探すときの姿は日本各地でありふれた風景だった。明治以降、狩猟が自由化し、海外で大量消費される毛皮と羽毛の供給地となって二ホンカワウソ・タンチョウやアホウドリなどがかられ輸出された。「とき色」と呼ばれるときの美しい羽根も、当時ヨーロッパで大流行していた羽帽子の飾りなどになり大乱獲の末に急速に数を減らした1908年、明治政府がトキの狩猟を規制したもの激減し、大正末期には絶滅したと言われた。しかし、1930年代に佐渡ヶ島と能登半島の一部で生き延びていた少数の時が再発見され保母の機運が高まった。1952年国はトキを特別天然記念物にして。佐渡島民が保護活動を開始し、国、新潟県と佐渡市も一体となり保護増殖事業が動き出した。
1967年にトキ保護センターが開設され、人口飼育や生息調査などが本格化。2012年6月、佐渡ヶ島で自然環境下で36年ぶりに孵化した8羽のトキが巣立った。その後も自然界への訪朝は続く。しかしながら、これまでのように限られた地域だけでトキを飼育していると鳥インフルエンザなどの感染症が発生した場合、トキが全滅してしまう恐れがある。そこで、国は佐渡以外の地域でもトキの保護増殖に取り組み、日本産のトキの絶滅する危険を避けるためトキの分散飼育を2007年から開始した。長岡市寺泊夏戸に「長岡市トキ分散飼育センター」を訪ねた。2004年(H16年)の中越沖震災復刻のシンボルとして計画され2011年(H23年)4月に開設された。翌年初めてのヒナが孵化(人工ふ化)2014年には初めて自然繁殖に成功し、長岡生まれの2羽が第11回放鳥で初めて自然界へと放鳥された。
長岡市寺泊地域と古くから交流のある佐渡で行われているトキの飼育繁殖や野生復帰を支援する。長岡市トキと自然の学習館”トキみ~て”ではトキの分散飼育を通じて、子どもたちや市民党に自然環境学習の場を提供する。中越大震災からの再生・復興を目指す目的で開設された。学習館は旧夏戸小学校校舎を使用し、1階はトキと自然の学習館でトキの分散飼育の取り組みを展示。2階は寺泊民俗資料館で昭和初期から昭和30年代の「寺泊」の暮らしをジオラマで再現していて楽しく学ぶことができる。観察棟「トキみ~て」では、「トキ分散飼育センター」で飼育しているトキを間近に見る事ができる。公開しているトキはオス5羽。メスと今年生まれたヒナは5羽。公開はされていないが、学習館のライブカメラのモニターで見る事ができる。時が飼育ケージの中でお池でドジョウなどを食べている様子や、時折羽ばたいて自慢の「とき色」の羽を広げる様子を観る事ができる。現在478羽のトキが野生化している。時の復活は、日本の自然の復活、自然環境の再生を意味している。
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